年末年始や夏休み、連休になると、帰省や旅行で飛行機に乗る人は多かった。それ以外でも、出張や旅行は珍しいことではなかった。
状況が一変したのはコロナ禍の2020年。二転三転しながらも日常が回復しつつある今、久しぶりに飛行機に乗るのが楽しみな人も、なんだかちょっと怖い気もするという人にも、空の旅と渡航の安全祈願におすすめの神社を紹介しよう。

めずらしい「航空安全」のお守りが用意されている神社もある。飛行機に乗るなら旅行保険は欠かさないという慎重派も、大切な人の安全を願う人も、お参りに行く機会があればぜひお参りにいって、お守りをいただいておきたいものだ。

●<東京・大田区>航空関係ではおなじみ「羽田神社」と「穴守稲荷神社」
●<群馬・伊勢崎市>プロペラのお守りで航空安全を祈る「伊勢崎神社」
●<京都・上京区>雷と天空も支配する強大な神様を祀る「上賀茂神社」
●<福岡・大宰府市>飛梅にちなんだ航空安全御守がある「太宰府天満宮」

 

航空関係にはおなじみ、羽田空港の氏神様「羽田神社」

まず紹介するのは、首都・東京の空の玄関から。現在、羽田空港と周辺エリアの氏神様 になっているのは「羽田神社」。
航空会社や旅行・航空関係者はもちろん、航空ファンや航空業界への就職を希望する人が合格祈願に多く訪れることで知られる神社だ。

飛行機が描かれた「航空安全御守」は、赤と青の2種類。また、飛行機をかたどった根付けタイプの「航空安全守」「旅行安全守」もあり、いずれも客室乗務員が毎日付けても邪魔にならない小ぶりなサイズでつくられているという。もちろん、航空関係のお仕事以外の参拝者も歓迎。

羽田空港最寄りの神社で、京急線「大鳥居」駅から歩いて5分。搭乗前に少し時間があるときなど、お参りに行ってみてはどうだろう。

羽田神社 https://hakken-japan.com/shrines/hanedajinja/
 

機影を見守る大鳥居、歴史と由緒ある「穴守稲荷神社」



羽田空港と航空関係の守り神として、もうひとつ忘れてはならない神社がある。

現在、空港になっている一帯は、かつて要島、後に羽田穴守町という地名だった。その氏神様として、江戸時代以来の歴史を紡いできたのが「穴守稲荷神社」
そんな穴守稲荷神社が現在の場所(羽田五丁目)に鎮座となったのは昭和二十年、終戦時。GHQの指令により地元住民とともに強制退去、大鳥居だけが残った跡地に空港が築かれ、その後、何度かの拡張工事を経て日本最大の国際空港となっていった。
歴史を物語る「羽田の大鳥居」は、羽田空港内の別の場所に移築され、離発着する飛行機の姿を静かに見守り続けている。
いまは鳥居とも空港からも少し離れた場所の穴守稲荷神社には境内社とし
「航空稲荷」があり、また第1ターミナルビルの「羽田航空神社」では穴守稲荷神社の神職によって神事が執り行われるなど、つながりは深い。
もちろん、飛行機の描かれた旧御朱印帳(現在は頒布終了)や各種の航空安全お守り、授与品も充実。歴史経緯を知る地元住民や空港関係など、崇敬者は数多い。

コロナ禍の令和二年、境内を一新して、かつての隆盛を呼び起こすような朱塗りの千本稲荷や稲荷山が誕生。苦難を乗り越えてきた復興の歴史は、飛び立つ人に勇気を与えてくれそうだ。

穴守稲荷神社 https://hakken-japan.com/shrines/anamoriinari/
 

プロペラのお守りで航空安全を願う「伊勢崎神社」

ユニークなプロペラをかたどった「渡航安全・航空安全」のお守りが人気の、群馬県「伊勢崎神社」。

なぜプロペラなのかというと、伊勢崎には富士重工業の前身である中島飛行機の工場があったことから。戦時中、自社でつくった飛行機が無事に帰ってくるように、と中島飛行機の社員が伊勢崎神社に木製のプロペラを奉納したのが始まりだそう。
お守りのプロペラは、いまも職人さんが一つひとつ手作業で彫っているもので、なんとも言えない温かみと素朴さが魅力だ。

自分自身の安全祈願はもちろん、大切な人が遠くに出張へ行くときなど、相手が無事に帰ってこられるように願って贈るのもおすすめ。

伊勢崎神社 https://hakken-japan.com/shrines/isesakijinja/

 

雷と天空も支配する強大な神様を祀る「上賀茂神社」



通称「上賀茂神社」の呼び名で知られる古都・京都の誇る世界文化遺産、「賀茂別雷神社」(かもわけいかづちじんじゃ)。

ご祭神は、雷の字が入っていても雷神ではなく、むしろ雷を制する、雷除けで古来人々の信仰を集めてきた。最近では、雷から転じて「電気を司る神様」として電力や鉄道、IT関連などの企業も参拝に訪れるそう。

上賀茂神社にはさまざまな種類のお守りが用意されているが、天候や大空も支配する強大な力の神様ということで、航空安全のお守りもある。パステルピンクとライトブルーの布地に飛行機が刺繍された、意外に可愛らしいデザインのお守りが頒布されている。

賀茂別雷神社 https://hakken-japan.com/shrines/kamowakeikazuchijinja/

 

飛梅にちなんだ航空安全御守のある「太宰府天満宮」



日本全国の天満宮の総本宮として、日本全国・海外からもたくさんの参拝客が訪れる「太宰府天満宮」。ご祭神にちなんだ梅の名所としても有名だ。

なかでも本殿の向かって右脇にある梅の木は、御神木の「飛梅」。平安時代、右大臣にまで上り詰めた菅原道真公が、無実の罪を着せられ九州・太宰府に追いやられたとき、大切にされていた梅の木が道真公を慕い、京都から太宰府まで一夜にして飛んだという。
太宰府天満宮といえば「梅守」が有名だが、飛び梅の伝説に由来した、紺地に金糸で梅の花をあしらった高級感のあるデザインの「航空安全御守」もあるのだそう。

空を飛ぶ梅の木を実際に目撃したら腰を抜かすどころではないが、それほどまでに大切な人を思う強い気持ちを今に伝えるお守り。遠いところへ旅に出る身近な人へ贈るのにはぴったりかもしれない。

太宰府天満宮 https://hakken-japan.com/shrines/dazaifutemmangu/

 

神社を訪れる目的や、気になるご利益は、人と時によってさまざまだろう。
飛行機に乗るのに「交通安全」のお守りでいけないわけでもないし、それならばどちらの神社でも多く見かけるが、あえて航空の安全だけを祈願する「航空安全お守り」は珍しい。それは、神社の由来や歴史と深い関係がある。
どんなお守りの場合でも、順序としては、まず御社殿に参拝。お参りを済ませてから授与所へ立ち寄り、お守りをいただいて帰ろう。
お守りなど授与品(神社から参拝記念に授かる頒布品のこと)は、時期によって手に入る種類やデザインが変わる場合もある。

 


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