※この記事は2019年に取材制作・公開された内容でメニュー写真は2019年当時のものです。開催情報を更新して再公開します(編集部・2023年11月追記)
ごきげんよう。
ライターの、かがたにのりこです。
季節は秋から冬へ、小豆界ではいよいよ新豆の季節を迎えます。小豆もお米や蕎麦、お茶と同じく新物の季節があるのをご存知ですか。
一年草である小豆は、天候などによって毎年、出来が違うのだといわれています。
そして、お米にブランド米があるように、小豆にもブランド豆があります。普段、特に和菓子を食べないという方でも、「丹波大納言小豆」の名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
小豆の赤色は邪気を払うと信じられ、古くから赤飯や饅頭など、慶事の折に口にされてきました。中でも、丹波大納言小豆は江戸時代の文献にも残る約400年続くブランド小豆。一般的な小豆と比べると粒が大きく、積み重ねられるほどの美しい俵型をしています。皮が薄いのに、煮ても腹が破れにくい特性から、どんなことがあっても腹を切らなくても良い身分である“大納言”の名が付けられたとの説もありますね。
今回はその丹波大納言小豆の一大産地、兵庫県丹波市で開催される「ぜんざいフェア」をご紹介します。
こちらのフェアで面白いのが、30店にも及ぶ参加店のバリエーションの豊かさ。
和菓子店や甘味処だけでなく、純喫茶やフレンチレストラン、蕎麦屋、中華料理店、野菜の直売所、道の駅など、実に様々です。
ただし、王道ぜんざいから創作系まで、すべてのお店で使用されるのは丹波大納言小豆オンリー!産地だからこその贅沢感ですね。各店サイズや価格は違いますが、丹波大納言小豆のぜんざいが300円から食べられるなんて、他の場所ではありえないことです(上限でも1,000円以下…!)。
一口に王道と言いましても、澄んだ汁の向こうに大粒の丹波大納言小豆が見えるさらさらタイプもあれば、煮崩れにくい丹波大納言をあえて潰しホクホク感を増した濁り系、田舎のおばあちゃんが作ってくれたような家庭の味もあり、改めて己の好みを知る出合いにも期待ができます。
一方、創作系では純喫茶のコーヒーぜんざい、フレンチレストランでは柚子の酸味を効かせたショコラスフレぜんざい、蕎麦屋ではふわふわの蕎麦がき入り、中華料理店では楊貴妃も愛した白キクラゲ入りのぜんざいと、どこも個性が光ります。
また、餅米や栗、黒豆なども揃うのが、食の宝庫・丹波の魅力。直売所や店舗の販売コーナーで小豆を買って帰るのが、私の丹波旅の楽しみのひとつとなっています。
フェア参加店の方も太鼓判を押す、「丹波黒さや大納言小豆」は丹波大納言の希少な在来種。そもそも小豆自体、湿害に弱く栽培が大変な作物である上に、丹波大納言小豆は大粒で生育期間が長く、手作業が多いといわれています。品種改良を行なっていない原種であればなおさらのこと。
効率が求められる時代の流れに合わず、生産者が減少。いつしかその存在も忘れ去られようかという頃、テレビ番組の取材をきっかけに、一軒のお宅の味噌蔵で「黒さや」と書かれた一升瓶に入った小豆がハッケンされます!手間がかかっても「やっぱりおいしいから」と地元の小豆農家のお母さんたちがそっと作り続けてきたのだそうです。
丹波大納言小豆ぜんざいフェアで好みのぜんざいを楽しんだ後は、ぜひおうちでもぜんざい作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ほっこり温かいぜんざいが待っていると思うと、冬のお出かけも楽しくなりますよ。
丹波大納言小豆ぜんざいフェア
開催日程/2023年11月1日〜2024年2月20日
主催/丹波大納言小豆ブランド戦略会議 丹波市・丹波ひかみ農業協同組合・丹波市商工会・丹波市観光協会・丹波大納言小豆生産振興会・兵庫県丹波県民局
お問い合わせ/丹波大納言小豆ぜんざいフェア事務局(株式会社シティライフNEW)
TEL:06-6338-0640 Mail:info@tamba-zenzai.com
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