歌川(安藤)広重の浮世絵で知られる「東海道五十三次」。その宿場町は今どうなっているのか、沿線住民に教えてもらう新企画がスタート。

第1回は、東海道五十三次のスタート地点である日本橋。江戸時代は、パリやロンドンよりも巨大な、世界屈指の大都市だったそう!そんな街でデザイン事務所flavourを開業する小林彩子さんに、日本橋の歩き方を教えてもらった。

タダで歴史散歩が楽しめる日本橋

日本橋は、じつに懐の広い街で、住む人も働く人も観光する人もすべて受け入れてくれる、とても居心地のいいところ。古いものを大切にしながら新しいチャレンジを続ける街であること、美味しいものに事欠かないのも、私がこの街を好きな理由です。

まずは、地名のルーツになっている「日本橋」に行ってみましょう。

江戸幕府の開府にともない橋を架けたのが1603年。現在の姿、ルネサンス様式の二重アーチ道路橋になったのは、1911年だそう。
じっくり見てみると、飽きないぐらい様々な飾りや像がたくさん。
 橋の下の船着場からはクルーズも楽しめます(要予約・有料)。

1.橋の上、中央にある「日本国道路元標」は国道1号(旧・東海道)の起点。文字は当時の総理大臣・佐藤栄作によるもの。高速道路などで見る「東京まで〇〇㎞」とは、この道路元標までの距離のことです。

2. 日本国道路元標のルーツ、「東京市道路元標」のレプリカ。

3.柱の銘板にある「日本橋」、こちらの文字を書いたのは、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜公!

4.橋の両端を始め、東京市の紋章を持つ獅子の像。「橋(8×4)」で32頭あるそう。

5.東野圭吾の小説「麒麟の翼」に登場する麒麟(きりん)の像。「日本橋から飛び立つ」イメージで作られたそうです。

6.橋の途中にある燈柱には、松と榎(えのき)の模様。日本趣味と和洋折衷を感じる装飾が随所に施されています。

桜の名所、日本橋さくら通り

東京駅からすぐの、茅場町方面に向かって伸びる約1kmの道。

昼間はリーズナブルなランチ、夜は美味しいお酒が楽しめる商店街で、春には約170本の桜が、まるで花のトンネルのように咲き誇ります。夕方には、東京駅を背中に高島屋方面を眺めると、お店の明かりに照らされた桜がとても美しいです。

名店のおやつ食べ歩き

日本橋界隈は、歩いているだけでも楽しいですが、名店の食べ歩きもおすすめ。

●たい焼きの柳屋(人形町)

創業100年以上の老舗で、四ツ谷の「わかば」、麻布十番の「浪花家総本店」とともに「東京三大たい焼き』と称される名店です。

●とうふの双葉(人形町) http://www.tofunofutaba.com

濃厚な豆腐はもちろん、甘酒、豆腐のから揚げやドーナツがおすすめ。

●人形焼の板倉屋(人形町) http://www.itakuraya.com

明治40年創業。機械で作る人形焼がほとんどの昨今、創業以来変わらぬ手焼きで作られています。そのせいか、七福神のお顔も愛おしい。

日本橋のご馳走ランチは、ここで

お腹が空いた、 ちょっと奮発して美味しいものを、というとき知っていると便利。

●玉ひで(人形町) http://www.tamahide.co.jp/

1760年創業の鳥料理屋さんで、「親子丼発祥の地」と言われています。水天宮や甘酒横丁と合わせて立ち寄るのがおすすめ。ランチ親子丼1500円。

●日本橋玉ゐ 本店(日本橋) http://anago-tamai.com

もともと寿司職人だったご主人が始めた、あなご専門店。柔らかい「煮上げ」と香ばしい「焼き上げ」が選べます。終戦直後に建てられた、日本家屋の風情も素敵。ランチは、小箱1600円を頼んで、最後に焼骨茶漬け用出汁200円をオプションでつけると、最高に美味しいです。

蛇の市本店(日本橋三越前)

1889年創業、文豪の志賀直哉が愛したお寿司屋さんとして有名。酢飯にお砂糖を使わず、昔ながらのお酢と塩だけで仕上げた、すっきりとした味です。おすすめは、ランチの限定ばらチラシ1700円。

日本橋の神社にお参り

ビルの谷間こんなところにと思う場所でも、由緒ある神社がいまもちゃんとあります。

●福徳神社 https://hakken-japan.com/shrines/fukutokujinja/

モダンなCOREDOのビルを両脇に鎮座する姿が、いかにも都会の神社らしい佇まい。
江戸時代には幕府公認「富くじ」の発行を許されていた神社だったことから、宝くじの当選祈願で人気があり、幸運鈴が社殿前に置かれています。
ちなみに、外れくじのお焚きあげも行っているそうですよ。


教えてくれた人(取材・写真協力)/小林彩子

flavour主宰グラフィックデザイナー&アロマキュレーター
1975年生まれ。女子美術短期大学 情報科グラフィックデザイン専攻卒。音楽出版社、制作会社のデザイナー&アートディレクターを経て、2006年にデザイン事務所「flavour」として独立開業。東京・日本橋を拠点に活動中。

https://flavour-design.com/


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