ご無沙汰しております。嶋原の葵と申します。

早いもんでもう年末どすね。皆さん、新年に向けてお忙しいことかと思います。今回で3回目のお話は、嶋原の年末行事についてお話しさせていただきます。

昔は嶋原の中で「お餅つき」があったんどす。約300年間、京都の花街・嶋原で続いていた年末行事どす。

それぞれの「揚屋」が、一年間でご贔屓頂いたお客様をご招待して、太夫(たゆう)や芸妓を「置屋」から呼ぶ花代を持ち、おもてなしをされてました。舞や鐘・太鼓に囃され、男衆が餅をつき、太夫が丸め、お客様が餅や料理に舌鼓をうつ。お正月を迎えるのに縁起の良い伝統行事やったんどす。
旦那衆にすれば、この太夫のお餅つきに揚屋から招待を受けるというのは、大変なステイタスどした。一年間の感謝と益々の御縁を願った伝統行事どした。

せやけど、時代にはなかなか逆らえへん……。
お客様の減少と共に揚屋が催す太夫の餅つきが無くなり、揚屋もどんどん減っていき、最終的には歌舞練場(
かぶれんじょう)で組合が主催しておりました。
この頃には、観光化されたチケット制の「観るだけ」の行事と化してしまい。少ししてその観光客も減り、芸妓や裏方の高齢化に伴い組合も潰れ、とうとう平成2年を最後に餅つきが無くなりました。

平成8年には歌舞練場さえも取り壊しになり、場所さえも無くなってしまいました。
ただ一つ残っていた嶋原の最後の行事が無くなり、揚屋も置屋も減りに減り、「街」とは言えない数となって京都の「六花街」から外されてしまい、京都の人々の記憶から、嶋原自体の存在を益々忘れられようとしていたんどす。

そこから12年後のこと。
「太夫の餅つき」を知らない人も多くなり、嶋原さえも無くなったと思われ出しました。このままでは「嶋原」「太夫」の文化さえ危うい!……と危機感を覚えた、母の司太夫。

嶋原にはすでに地方(じかた)が無く、他の花街のように「〇〇をどり」は出来ません。やはり、嶋原を再び人々に知って頂くには、「太夫の餅つき」しかない!!と決意。
せやけど、資金も場所も人手もない……。考えに考え、新世紀を迎えるなら「太夫の餅つき」も「新・太夫の餅つき」でやろうと思い立ったのです。
心根は、『お客様への感謝』『御縁の大切さ』『新たな年への縁起もの』。形は、『太夫の餅つき』。
これを根本に置き、工夫を重ね、場所を嶋原からホテルへと移して、資金は会費制、人手の音曲は知人の民謡奏者たち、裏方は知人や学生たち。つき手はお客様に……という手作りの餅つきが始まりました。

それが第一回、平成
132001)年どす。

おもてなしの原点である、嶋原・太夫の文化を無くしたらあかん。後世に受け継いでいこう!という思いから、日本の文化として伝え、そして、一人でも多くの方に知って頂こうと取り組んでおります。
自分たちだけではなく、様々な伝統芸能を毎年お呼びし、その伝統芸能にとって少しでも伝承になるようにもさせていただいております。

復活できてから今年で19回目を迎え、来年2020年には20回目を迎えます。

ここまで来られたのは応援してくださる皆様のおかげどす。これからも途絶えることなく続けていけるように頑張ります。ぜひ一度参加してみとくれやす! 病みつきになりますえ()
 

ほなまたお会いできる日まで。おおきに。

【Information1】嶋原太夫餅つき会

2019年12月22日() ※終了
日航プリンセス京都 13:00〜/ホテル前太夫道中(無料) 13:30〜  

パーティー 16,000円(飲食、お餅、お土産込) 


【Information2】映画『燃えよ剣』に葵太夫役で出演!

映画『燃えよ剣』 2021年秋 公開
原作:司馬遼太郎/監督・脚本:原田眞人
出演:岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明、ほか

 


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