みなさまはじめまして。札幌市在住のライター中村 砂織です。
生まれも育ちも札幌。普段はサービス業で勤務をしながら、時間があるときに物書きをしています。休みには札幌や北海道內の魅力を伝えるべく、日々新しいハッケンがないか探す日々を送っています。

私は毎年、正月の初詣には北海道神宮に行っていました。しかし2021年はコロナの関係でこの時期を避け、2月下旬に参拝してきました。
そこで今回は、冬の北海道神宮についてご紹介したいと思います。

札幌市営地下鉄東西線・円山公園駅から歩いて約10分ほどの距離にある、北海道神宮。

明治4年、現在の場所にご社殿が建てられ当初は「札幌神社」と名付けられました。その後、昭和39年に明治天皇を増祀(おまつりする神様が増えること)をして「北海道神宮」と改称されたのです。

北海道神宮の境内は桜の名所としても地元および北海道の人には知られ、毎年桜の時期には多くの人で賑わいます。特に、ご社殿へ続く表参道の桜が開花した光景は圧巻。
ぜひ北海道以外の方々にも、桜が咲き誇る素晴らしい景色の広がる表参道を堪能していただきたいです。
ちなみにこの境内のすぐ近くには桜の名所「円山公園」があるので、北海道神宮と合わせて回ってみるのもおすすめです。

とことこ円山公園駅から歩くこと数分。まず、第二鳥居と呼ばれる正門が姿を現します。

正門の階段を登りきると表参道です。この日は雪で参拝者が少なかったため、静寂に満ちておりました。

ご社殿までまっすぐ伸びる道の、この幻想的な雰囲気は、北海道神宮でしか味わうことができません。

そのまま参道を進むと左側に手水舎が見えてきます。
手水の作法がイラスト付きで解説されていてとてもわかりやすいです。外国人参拝客に向けて多言語でも作法の説明がされていました。

また、北海道神宮には数多くの野鳥が生息しています。
季節によって神宮内で羽を休めている鳥は異なりますが、お散歩のついでにどんな野鳥が生息しているのか調べてみるのも良いかもしれません。

手水舎の目の前には太い注連縄(しめなわ)が特徴的な神門が見えてきます。

注連縄とは神聖な場所を示すものであり、古事記で有名な「天岩戸開き」(あめのいわとびらき)神話がその起源とされています。
注連縄の上部には俵が載せられており、この組合せは北海道・青森地域でしか見ることができないものだそうです。

神門のあたりには北海道神宮に関するパンフレットも数多く置かれています。
神宮がなぜ建てられたのか、神宮の歩みなど、北海道神宮に関する歴史が学べる内容ですのでぜひ手に取ってみてください。

参道を抜けるとすぐに、切妻屋根の拝殿が見えてきます。

参拝はこちらの拝殿で。私も今年一年、安全に楽しく暮らせるように祈らせていただきました。

拝殿がある境内には授与品や御朱印、お守りや絵馬を授与している場所も(お守り等は郵送授与の対応も常時行われているそうです)。

お参りの後は、北海道神宮境内にある「神宮茶屋」で一休み
2019年に新しくオープンしたこの茶屋は、森の中にあるカフェのようなおしゃれな雰囲気。
店内には北海道内の銘菓がずらりと並び、きのとやの「札幌農学校」や日高の「三石羊羹」など、多数の北海道銘菓が販売されています。
この日、札幌には今季最大の寒気が訪れていたのですが、温かいお茶をいただいて、ほっと体の芯まで温まることができました。

休憩した後は円山公園駅まで伸びている道を歩いて帰りながら散策しました。
公園內には、開拓神社・札幌鉱霊神社・穂多木(ほたぎじんじゃ)神社の3つの境内社があります。

こちらは穂多木神社です。

明治33年に設立された北海道拓殖銀行で、永年勤務功労のあった物故役職員の御霊を祀るために建立された神社だそうです。

北海道拓殖銀行はかつて札幌に本社を構えており、蟹工船を執筆した作家の小林多喜二も在職していました。名前のとおり北海道を地盤とし、一時期は地域に絶大な影響力を及ぼした銀行でしたが、1997年に事業を譲渡し、その歴史に幕を降ろしました。

こちらは開拓神社です。

ここにも北海道開拓に力を尽くしてきた功労者が祀られています。

続いて、鉱霊神社。

鉱山殉職者を慰霊するための神社である鉱霊神社は、昭和24年に北海道神宮の境内社に遷座されました。

北海道はかつて良質な石炭や鉱脈が各地に存在していました。そのため、石炭鉱山・金属鉱山が高稼働しており、空知地方は特に炭鉱が栄えていた地域として有名です。夕張には石炭の歴史博物館があり、石炭の歴史を知ることができます。
しかし炭鉱作業は危険と隣合わせのため、度重なる鉱山事故で命を落としてしまう労働者の方が多かったのも事実。殉職者の御霊への感謝と功績を称えるために、神宮内に鉱霊神社が建立されたのです。

じつは、私の祖父は昔、芦別の炭鉱で勤務していました。炭鉱勤務は過酷であり、死と隣り合わせだったと話していたこと、また炭鉱事故で巻き込まれた仲間もいたという話を聞いたことをあらためて思い出しました。

これからは北海道の発展に力を尽くして下さった方々に感謝を伝えるために、境内社についても参拝をしっかり行おうと思います。


自然と調和する境内で非日常のひとときを過ごせる北海道神宮。その境内社には北海道の歴史をつくってきた方々が祀られています。
札幌や北海道神宮を訪れた際に、ぜひ
北海道の歴史にも想いを馳せてみるのはいかがでしょう。

今回、私はこの記事を書くことで北海道神宮の境内社を詳しく知ることができた事が、新たなハッケンだったと感じております。特に「鉱霊神社」には私の祖父に重なる歴史があることを初めて知り、とても驚きました。

北海道には北海道神宮以外にも、見るべき神社や観光地がまだまだたくさんあります。北海道にある他の神社や観光地についても、また別の記事で紹介させていただけたらと思います。
 

訪れた神社/北海道神宮(ハッケン!ジャパン神社ページ)


公式サイト
http://www.hokkaidojingu.or.jp/

 


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