イラスト図解&ポイント解説
ここを押さえれば意外にカンタン!

「浴衣 着付け」と検索すれば、多種多様な記事や動画がヒットするが、興味はあっても難しそう…、やる前から腰が引けてしまう人も多いのでは。
実は腰ひも2本あれば着られる“浴衣の着付け”は、コツさえ掴めばさほど難しくない。
浴衣のルールを理解して“カッコ良く粋に着る”のは次のステップとして、まずは、洋服を着るのと同様に、浴衣を身につけるための方法をシンプルに把握してみよう。意外と自分だけで着られるかも…と思えてくるはず。
「どうせ無理だから」という固定概念は脇に置いて、まずは下記を読んで、やってみてほしい。
浴衣を着せてもらっていて、ひとりで着られたら良いなと思った人、できていると思うけど基本をおさらいしたい人もぜひ!

【用意するもの】
・浴衣(ゆかた)
・浴衣用肌着(または着物用の肌襦袢+裾よけ、スリップ)※下着の透け防止
・腰ひも 2本(コーリンベルト があれば1本でもOK)

<あると便利なもの>
・コーリンベルト 1本
・伊達締め 1本

<基本の着付けの後で必要になるアイテム>
・帯
・きものクリップ、帯板
・下駄などの履物

手順1)浴衣用の肌着を着る

◆ポイント
ヘアメイクは着るより先に済ませておく

手順2)浴衣の着丈を合わせる

浴衣を羽織ったら後ろ(背中側)の丈(裾線)を決める

◆ポイント
丈の目安は、くるぶしの中心〜隠れるくらい

◆ポイント
背中側の裾線を決めたら、お尻を起点にピンと張るように浴衣を持ち、お尻から浴衣が離れないように気をつけるとズレ防止になる

手順3)上前(左手で持った方)の幅を確認

あくまで下半身の調整なので、ウエストより上の生地がたるんでいても、この時点では気にしなくてOK!

◆ポイント
幅は、上前の端が、右の腰骨に来るのが目安

手順4)いったん上前を広げて、下前(右手で持った方)を巻き込む

◆ポイント
褄先(つまさき=裾の角)が、くるぶしより少し上の位置になるように、裾線を斜めに上げる

手順5)上前を戻し、ずれないように右手で押さえる

お尻から浴衣が離れないように気をつけながら、左手で持った上前をピンと張りながら戻すと、下前を押さえていた右手を抜いても、下前がずれにくい。褄先を少し上げる理由は、ラインの美しさ+着崩れ防止のため

◆ポイント
上前の褄先も、くるぶしより少し上の位置になるように、裾線を斜めに上げる
◆ポイント
褄先以外の裾線が、くるぶしの中心〜隠れるくらいになっているか確認を

手順6)ウエストで腰ひもを2周巻き、脇で結ぶ

(手順5)で押さえていた右手を離さないまま、腰ひもの端をもち、左手で腰ひもをぐるりと体に沿わせて2周巻く。

◆ポイント
締め具合は、指が3本入るくらいが目安
◆ポイント
結び目は真ん中ではなく、脇に少しずらすと苦しくなりにくい
◆ポイント
腰ひもが長い場合はブラブラしないように、締めた腰ひもに挟み込む

手順7)おはしょりのしわを取る

 

身八つ口(みやつくち、脇のアキ部分のこと)から両手を入れて、内側から生地をなでるように伸ばす

◆ポイント
まずは後ろを整えてから前側へ
◆ポイント
両手を中央から外側に向かって、L字を描くように手を動かすと生地がピンと張る。だぶついた生地を平面に伸ばすようなイメージ

手順8)衣紋(えもん)を抜く

前の襟を押さえながら、背中の中心を下に引っ張る。

◆ポイント
開ける目安は、首の後ろと襟の間がこぶし1個分くらい

手順9)襟元(えりもと)を合わせる

◆ポイント 襟の合わせは、喉のくぼみより1cm下あたりが目安

手順10)胸の下あたりを腰ひもかコーリンベルトで留める


※腰ひもで留める場合の手順は、(手順6)同様

コーリンベルトを着ける場合は、左側の身八つ口から手を入れて、下前の襟に片方の端を装着。そのまま身八つ口から引き出して、背中側にぐるりと回し、上前の襟にもう片方の端を装着するだけ

◆ポイント コーリンベルトは腰ひもより苦しくなく、襟元の着崩れ防止にもなるのがメリット

手順11)しわを脇の方へのばす

中央に寄ったシワを左右バランス良く外側に流す

 

手順12)あれば伊達締めを締めて、帯締めのステップへ

 

余った伊達締めの端は、腰ひも同様、締めた部分に挟み込んで

◆ポイント
伊達締めは、おはしょりのたるみを覆って美しく見えるのがメリット


ここまでが、基本の浴衣の着付けだ。

浴衣が着られたら、あと一息。
帯の結び方は、よく目にするのが「文庫結び」や「蝶結び」、ほかにも「カルタ結び」「貝ノ口」、さらに簡単な大人の兵児帯など、最近はさまざまな結び方が動画などでUPされている。それをお手本に練習してみよう。
着付け教室イベントなども各地で開催されているので、思い切って習いに行くのもおすすめだ。

帯の結び方で印象もがらりと変わる。いろいろ楽しんで。
 


取材・文/やまだともこ(ハッケン!ジャパン編集部)

イラスト/まつもとりえこ