皆さん、こんにちは。令和初のミスター土方です。

すっかり冬になり、お風邪などひかれていませんか? 今年もあと少し。自分のペースで焦らず、いい一年だったと思えるように行動していきたいものですね。

さて、冬といえば、新選組にとって厳しい戦いが起きた季節でもあります。

真冬の厳しい寒さの中、「鳥羽伏見の戦い」が開戦したのが、慶応4年1月3日。
その2日後、慶応4年1月5日、淀千両松の戦いでは、近藤さんや土方さん、沖田さんと共に「誠」の道を歩んできた縁の下の力持ち、六番隊組頭の井上源三郎さんを含む7名が亡くなりました。
戦いで劣勢となった旧幕府軍(新選組や会津藩など)は、淀城に逃げ込もうとしますが、城は固く城門を閉ざして旧幕府軍を拒絶。入城を断念した旧幕府軍は、新政府軍が追ってこられないように城下町や橋に火を放ち、撤退しました。
ほとんどの建物が今はありませんが、当時は大阪へ抜ける大きな橋があり、ちょうど京の入り口・大阪への出口に鎮座する「閻魔(えんま)様の前では戦をすることは出来ない」ということで、お寺では旧幕府軍の負傷者の治療や戦死者の供養をされていました。

今回の縁合わせ旅は、その長円寺さんを訪れます。

江戸幕末の頃は、長円寺さんの門をくぐると観音様と閻魔様が対面していたのだそうです。
この閻魔様を拝まなければ京に入れないと参拝者が絶えず、特に7月16日と1月16日、年に二度の藪入りの頃には京都中から長円寺さんのお参りに訪れました。ちょっとした季節の風物詩だったようです。

当時の面影を遺す建物は、残念ながら1995年の阪神淡路大震災で被災し、建て直されて現在に至ります。

こちらが、淀 長円寺の閻魔様です。

小さい頃に「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ」などと言われ、閻魔様について怖いイメージを持つ方が多いのでは?
しかし実際には、閻魔様は地蔵菩薩の化身とも言われており、とても優しいお方なのです。
閻魔様は、人が悪さをしないよう怒り、地獄に落ちないようにと人間を一心に思っておられるといわれます。
地獄に人が落ちてしまえば、それは閻魔様自身の罪にもなり、自分自身を罰するために溶けた鉄を飲むため、喉と胸がただれてくっついているのです。

そんな心優しき閻魔様のことを生涯忘れることはなかった土方さん、会津から函館転戦で榎本武揚と合流した際に「京の淀では多くの同志を失ったが、新選組を守ってくれた閻魔様がいる」と、榎本さんに話したそうです。
時代が許すようになった明治40年になって、榎本さんはかつての同志を供養する「東軍戦死者供養碑」を閻魔堂の隣りに建てられました。
現在は、長円寺の山門前にて参拝される方々を見守っています。

このとき榎本さん自身は既に老齢で、残念ながら長円寺さんを訪れることは叶いませんでした。
しかし、供養碑建立時の法要には3千人から4千人もの参列者が訪れたと文献に残っているそうです。
ご縁がご縁を呼んだエピソードですね。

そして月日は流れて。
現在の長円寺さんには、こうした人々の思いに寄り添う刀達が奉納・寄進されています。うち数振は、特に新選組とゆかりの深い銘です。

和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)
 土方さんが所有した刀匠同一の兄弟刀で、会津の心に寄り添う「誇りを守り続ける刀」、守護閻魔刀

國廣(くにひろ) 
 幕府の方々の心に寄り添う「憧れを持ち続ける刀」、守護閻魔刀

大和守安定(やまとのかみやすさだ)
 淀光明寺に寄進され、現在は長円寺さんに奉納されている寄進刀

加州清光(かしゅうきよみつ)
 鳥羽伏見の戦いでの戦死者百五十回忌の節目に、二百回忌への懸け橋となるようにと思いを込めて寄進された短刀

過去を知り未来へと思いを繋げていく、平和な今の時代。刀剣達も、日々閻魔様や観音様のもとでお勤めをされているのでしょうね。
通常は一般公開されていませんが、訪問時は観音堂内にて刀剣のパネルや鳥羽伏見の戦いについての資料の展示が開催中でした。和泉守兼定の柄も展示され、実際に手にとって握ることもできます。
長円寺ご住職の、少しでも参拝された方に喜んでいただきたいというお気持ちが伝わってきました。

また、ご住職が取り組んでおられる「花押印(かおういん)」が、とても素敵なんです。

「花押印」とは、お寺の住職さんや神社の宮司さん(寺社一番の責任者)がその場で御朱印帳に直書きをし、書き手自身(住職・宮司)の「花印」を押した御朱印。
長円寺さんの花押印は、ご住職自身が御朱印が大好きで、直書きする昔ながらの御朱印文化を大切に守りたいとの思いから考えられたものだそうです。

コロナ禍の状況では難しいときもありますが、御朱印を書いていただいている合間に世間話や、ゆったりと流れる寺社の空気を味わう。そんな時間は大切にしたいものですね。
 

そして、閻魔堂の中でいただける2つ目の御朱印が「閻魔札朱印」。

こちらには、新選組のだんだらの羽織と、和泉守兼定が描かれてされています。
隣りには、刀剣関係の御朱印では初の切り絵!厄を払うかのような鋭い目つき、まさに「壬生狼」(みぶろ、新選組の別名)。インパクトのあるこちらの御朱印は、雑誌の表紙を飾ったこともあるのだそう。

お忙しい中、柔らかな口調で楽しいお話をたくさんお聞かせくださった長円寺ご住職さま、誠にありがとうございました。

ここで皆様に、ご注意。参拝前には必ず長円寺さんのホームページで御朱印の授与期間と授与方法を確認しましょう。
「閻魔札朱印」は郵送でも授与いただけるそうですが、切り絵の御朱印の方は2022年1月末まで
ご住職はSNSでも情報を発信されています。檀家さんやお寺のご迷惑にならないよう、調べてから行きましょうね!


鳥羽伏見の戦いで傷つき亡くなった仲間を置いて、土方さんたちはどんな思いで大阪へ向かったのか… 思いを馳せつつ、土方さん達が実際に歩いた参道から京阪淀駅に向います。

次の目的地は、淀駅の程近くに店を構える「創作鮨丼 魚楽(ととらく)」さん。
カウンター7席の小さなお店ですが、いろんなTVや雑誌でも取り上げられている人気店!!
帰りはここにと思っていたところ、長円寺のご住職がよくご存知とのことで、いろいろと情報を教えていただきました。

着いてみると満席。しばらく外で待ち、笑顔がまぶしい店員さんの手招きで入店すると、壁一面に貼られた約40種のメニューがお出迎え。

どのメニューも、とてもリーズナブル!どれも美味しそうだし、名前が個性的で面白くて目移りしてしまいます。

初来店の今回は。海鮮丼とお味噌汁を注文。
「お客様を待たせない」という気持ちが伝わってくるスピードで、海鮮丼が到着しました。

深めの丼に敷き詰められたシャリ(酢飯)の上に、分厚く切られた魚介に心躍ります。

皆さんお分かりになられますか?タコ、イカ、エビ、甘えび、イクラ。そして、分厚く切られたマグロ!いや、これは…中トロでは!!
驚きを隠せないまま、なみだ(わさび)を醤油で溶いてかけ、タコから一口。小さい子でも嚙み切れるほど柔らかいのに弾力はあり噛むごとにタコの旨味が出てきます。それならばイカは?隠し包丁が入っているということは新鮮な証。噛めば噛むほどに、イカの甘み。エビもぷりぷり!ここまでシャリと一緒にパクパクと箸を進めました。

ガリで口の中をさっぱりさせつつ、お次は甘えび。これぞ甘えび! もう一尾の甘えびはイクラと一緒にぱくり。イクラの塩加減と甘えびの甘さが絶妙に合わさり、口の中が幸せです。
最後に中トロと一騎打ち。貴殿とは何もつけず、シャリも纏わせず戦いたい。はい、完敗です。口の中に入れた瞬間とろけました。中トロの油もすごく上品。あ~幸せ。

美味しすぎて気が付けば魚介のみ食べつくし、シャリだけが残ってしまった…。
しか~し!そんな時、ととらくさんでは画期的なシステムがあるのです!!

かえネタ」!!
このシステムを使えば、幸せを倍増できるのです。ええ、そうです。だからこそシャリを半分残しておいたのです。

数あるメニューの中から選んだ、2杯目はこれ!!

ウニ・いくら・ネギトロ!!美味しい、しかありえないこの組み合わせ。
丼の半分くらいのシャリがあるはずが全然見えない。信じられないくらいのネタの量です。
ウニも噛むほどに甘みが出て口いっぱいにウニを食べる夢も叶います。ネギのシャキシャキをアクセントに程よく叩かれたトロをシャリと一緒にかっ込む!美味しすぎて、感謝の言葉しか浮かびません。
そして先程もいただいたイクラ!宝石のようにキラキラと。そして口の中でプチップチッと、幸福の音楽を奏でていきます。
こんな贅沢が許されていいのでしょうか!?ごちそうさまでした!!

お会計時、「次回は友人連れて来ますね」とお伝えするくらい大満足。何度でも足を運びたくなるお店でした。
ととらく代表の中村さん、店員さんも優しい方々ばかりで、あらためて、新選組と長円寺さんに結んでいただいた素敵なご縁に感謝です。


さぁ、心もお腹も幸せいっぱいになったところで、今回の縁合わせ旅はここまで。

このコラムを書くにあたり、御助力いただきました
長円寺 様
創作鮨 丼魚楽
本当にありがとうございます。今回も、本当にご縁がご縁を結んだ旅でした。

長引くコロナ禍でまだまだ難しいこともありますが、来年も、心は新選組と共に。
それでは皆様、またお会いしましょうね。良いお年を!

 

<旅人・原稿・写真/22代目ミスター土方

 


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