皆さん、初めまして。
令和初のミスター土方(ひじかた)です。
ん?最初から聞きなれない名前ですね。誰?と思われる方に、少しだけ説明させてください。

東京の日野市で毎年5月第二週目の土日、2日間行われる、新選組ファン最大のお祭りがあります。それが『ひの新選組まつり』

1日目は翌日のパレードで新選組局長・近藤勇や副長・土方歳三、そして各隊の組頭である沖田総司、井上源三郎などをコンテスト参加者の中から選ぶ『隊士コンテスト』。そして2日目には新選組隊士の格好で高幡不動尊や日野駅周辺の甲州街道を練り歩く『ひの新選組パレード』が開催されます。
(2020~2022年はコロナ禍の影響により残念ながらパレードは中止になりました)

2019年行われたコンテストで令和初の土方歳三役を射止めたのが私、22代目『ミスター土方』なのです。

ご縁がご縁を結び、新選組ゆかりの神社仏閣を巡る記事を執筆することになりました。私が訪れたことのある神社さんやお寺さん、周辺で気になったお店の話をしたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 

さて、東京駅からJR中央線の中央特快で約45分。多摩川の近くを電車で通り過ぎる時、運が良ければとてもきれいな富士山が見える東京都日野市。日野駅に降り立つとどこか懐かしいような、ゆったりとした時間が流れています。

新選組と言えば京都じゃないの?と思う方もおられるでしょうが、まずは私がミスター土方として貴重なご縁を結んでいただいている日野から、どうしても皆さんに知ってもらいたかったのです。

日野は、後に新選組副長となる土方歳三、井上源三郎といった幹部の出身地であり、局長の近藤勇、沖田総司らと出会った地なので『新選組のふるさと』と呼ばれています。
そんな日野には新選組ゆかりの神社仏閣が数多くあります。
日野駅の改札を出て、右手のほうに進み大きな道路(甲州街道)に沿ってテクテク歩くこと約3分。右手のほうに見えてくるのは、新選組の面々が生きていた時代の趣を残すパワースポットの日野八坂神社

御祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)。明治になり神仏分離がされるまでは、牛頭天王(ごずてんのう)として祀られていました。

牛頭天王は疫病避けの神様。須佐之男命は破天荒で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した力の強い神様という印象がありますが一方で「和歌神」と言われたりする神様なんですよ。和歌を初めて詠んだともいわれ、猛々しくもあり繊細な一面を持つ神様。その2柱の神様により疫病避け、文武の上達や勝負運、縁結び、家内安全など幅広いご利益がいただけます。

かつて八坂神社の近くには、天然理心流の出稽古用の佐藤彦五郎道場がありました。当時、日野宿の問屋で日野本郷名主を務めていた佐藤彦五郎が本陣兼自宅に開いたもので、この道場で剣術を教えていたのが、後の新選組局長となる近藤勇です。



八坂神社さんには新選組結成前に天然理心流の門人達が剣術上達を願って奉納した額が今もあり、5月のひの新選組まつりと9月の例大祭で一般公開されます。また、天然理心流の演武も見ることができます。(2020~2022年は中止になりました)

八坂神社さんの奉納額には、近藤(嶋崎)勇、沖田(惣次郎)総司、井上源三郎と記されています。
土方さんは?、というと奉納額が奉献された翌年の安政6年(1859年)に天然理心流に正式入門されているので、奉納額にお名前は記されていません。もう1年早く門人になっていたら、土方さんのお名前も記されていたかもしれませんね。

このように、後の新選組の主要メンバー達は八坂神社さんの境内で涼んだり、いろんな話をしたりしながら、神様にお願い事をしていたのではないでしょうか。
 

そんな風に新選組に思いを馳せながら日野の街を散策すると、やっぱりお腹がすいてきますよね。
コロナ中は、なかなか日野に行けないし…。そこでアフターコロナに行きたい、美味しいお店を日野周辺で探したい!!この思いに応えてくれる、一冊をご紹介します。

それが、こちらの『ひのうまいもん大図鑑』です。

日野市や豊田、高幡不動に、南平と平山のうまいもんのお店が、「グルメハンター」の市民の方々のお声で作られています。日野産の野菜をたっぷり使ったお店や名物スイーツなどの情報が盛りだくさん!地産地消もばっちりです。
もし冊子が手に入らなくてもお店の検索ができるホームページもあり、さらにYouTubeでお店までの道案内やお料理、お店の雰囲気もよく分かるのが嬉しいですね。

読者の皆様にも、土方さん達も食べたであろう日野の大地や水の恵みたっぷりの食材を使ったお料理を食べ、今回ご紹介した以外にもまだまだ周辺にたくさんある新選組ゆかりの神社仏閣にぜひ足を運んで、彼らの軌跡を辿ってみていただけたらと思います。
 

今回、このコラムを書くにあたり御助力いただきました
日野市シティセールス推進課様、日野市観光協会様、日野八坂神社様、日野市商工会様、ひのうまいもん大図鑑製作委員会様
本当にありがとうございました。
皆様の優しさに、日野っていいところだなと改めて感じました。私もまた日野に行って「ただいま!」って言いたいです。

それでは皆様、また次回お会いしましょうね!


※このコラムは、2019年開催時の「令和初ミスター土方」こと三宅一美さんがまつりの再開を願ってスタートしたもので、2023年より一連の行事は本格再開。2022年より、その年の新たな「ミスター土方」が選出され、三宅さんと仲間たちは以降も毎年「ひの新選組まつり」に参加をつづけています(編集部・注)
 


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