はじめまして。ライターの、かがたにのりこです。

和菓子が好きです。それも、かなり。 そう気づいたのは実はほんの数年前。金沢で生まれ育ち、人生の約半分の歳月を京都で暮らし、何不自由なく和菓子が手に入る環境で生きてきたワタクシ。 パンと洋菓子文化の街に越してきて漸く、いかに和菓子と共に暮らしていたかを実感したのでした。

親しみのある和のおやつや、麗しの生菓子を改めて愛でながら、和菓子のある暮らしの魅力をお伝えできればと思います。

第1回目は、京都・桂離宮畔に店を構える中村軒の「かぜしらず」をご紹介します。 明治16年創業の中村軒といえば、名代の「麦代餅(むぎてもち)」や春夏のかき氷が有名ですが、秋冬におすすめしたいのが、こちら。

昔の人は風邪気味の時にくず湯を飲む習慣がありましたが、最近は馴染みが薄くなっていることを残念に思っていたという中村軒5代目のご主人。 とはいえ、湯飲みに入れるだけでは素っ気ない……。それならば、見た目も可愛らしく、香りも楽しめる柚子釜に入れてはどうか!というハッケンがこの「かぜしらず」の誕生エピソード。

中村軒では京都・水尾産の柚子を使うことがほとんどですが、「かぜしらず」はサイズ感が丁度いい四国産の柚子を手作業でくり抜き、柚子釜にしているとのこと。 本葛100%と少しのお砂糖を、和菓子づくりに欠かせない良質な地下水で丁寧に炊き上げたくず湯を流し入れれば完成。

柚子釜の蓋や中にちょっと果肉が残しているのがポイント! 葛を練る際に最初から柚子の果汁を加えてしまうと味が濁るのだそうですが、食べる直前に絞って入れ、くず湯を掬う際に木の匙がやさしく内側の果肉に当たることで、フレッシュな味と香りが堪能できる仕掛けなのです。 名店の最後の仕上げを自分がさせてもらっているみたいでワクワクしますね。

食べ終わる頃には、体の芯からポカポカに。 指先に残る柚子の爽やかな香りも風邪から守ってくれる気がして、バスや電車の中で、つい鼻を近づけてしまいます。

とろみがあり冷めにくい特性のある「かぜしらず」ですが、冷めるとしっかり固まり、電子レンジで温め直すとまたとろりと復活するスグレモノ。持ち帰りやクール便での発送もできるので、ご自宅でも気軽に楽しめます。器いらずなので、お見舞いにも良さそうですね。

特効薬のあるインフルエンザと違って、普通の風邪も地味につらいものです。ますます寒さの厳しい今日この頃。元気に乗り切る為にもこんな素敵な風邪予防はいかがですか。

かぜしらず 530円(税込)・発売2月下旬頃まで

中村軒
京都市西京区桂浅原町61
TEL 075-381-2650
https://www.nakamuraken.co.jp/


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