ごきげんよう。

ライターの、かがたにのりこです。

ここ2ヶ月ほど、心が奈良に染まっています。

その理由は、8月15日まで東京宝塚劇場(日比谷)で絶賛公演中のお芝居、宝塚歌劇団月組公演『桜嵐記(おうらんき)』とショー『Dream Chaser』の二本立てのせい。

私は歌劇団の本拠地・兵庫県在住なので、宝塚大劇場で5~6月に行われた同演目の公演を一足お先に観劇しました。ショーもたいへん美しかったのですが、特に心に深く刻まれたのが奈良の吉野を中心に繰り広げられる和物のお芝居『桜嵐記(おうらんき)』。

この公演で退団が決まっているトップスターの珠城りょうさんをはじめとする月組の皆さんが紡ぐ物語があまりにも素晴らしく、観劇後にその足で作品の聖地である山深き奈良・吉野へと旅に出たくなったほど。

しかしまぁこのご時世ですので、今回は奈良・吉野ゆかりの和菓子を取り寄せることにいたしましょう。私が旅に出られない代わりに、和菓子に旅をしてもらおうという寸法です。

行事や旬だけでなく、自分が好きな作品や人物に絡めて和菓子を暮らしに取り入れるのも楽しいものですよ。

奈良・吉野といえば、作品のタイトルにもありますように関西屈指の「桜」の名所です。そして、和菓子の世界には欠かせない伝統食材「吉野葛(よしのくず)」の産地。

でも、吉野本葛を使った冷菓は昨年もご紹介したので、ここはもう一つご当地要素が欲しいものの、桜のお菓子は時季外れで品薄ですね…。

近年、奈良といえば、氷の神様を祀る氷室神社があることなどから「かき氷」ブームを牽引する存在として全国のかき氷愛好家から注目されていますが、今回ご紹介するのは、氷は氷でも西吉野名産の柿を使った「柿こーり」です。

完熟柿のようにみずみずしい干し柿を吉野本葛で包み、凍らせたお菓子で、オンラインショップで注文すると、クール便で届きます。

ちょっと誰ですか? 温泉卵って言った人は…!

私の撮影スキルでは温泉卵に見えてしまうのですが、これは冷凍庫から出したばかりで葛の部分が最も凍っている状態。解凍具合を調整して自分の好みをハッケンするのが楽しいんですよ。

ちなみに、ほぼ解凍されるとこんな感じになります。

あ、さりげなく柿の実のフォルムだったのね!と表面の凹凸にやっと気づく私。

半透明の部分は葛と寒天特有のむっちりぷるんとした喉越しで、白く凍った状態だとシャリっとした食感も楽しめます。

そして「柿の専門」の屋号に偽りなし。「柿こーり」に使うのは、干した時に色も美しく仕上がる「平種無し柿」という品種。その味と食感に驚くこと必至。干し柿とは思えないジューシーさ。

「元々は渋柿なんですよ」と教えてくれたのは社長の石井さん。

石井さん曰く、この渋柿は干していくうちに甘さが増すピークがあるそうです。ただし、干し柿として常温保存がきくほど乾燥が進んでいないトロッとした状態のため、この瞬間のおいしさを逃さずお届けするために作られた冷凍タイプの商品なのですって。

これは喜ばせたい人がいるなら、知っておきたいおいしさだと思います。

解凍時間をずらして食べ比べてみました。

どの状態でもそれぞれにおいしくいただけますが、私は右から二番目の表面の葛が半透明になってきたくらいが好み。

柿はお芝居の『桜嵐記』で描かれる南北朝時代よりはるか昔、弥生時代から食べられていた果物だといわれています。

あの登場人物たちも吉野の柿を食べていたかもしれない…と、在りし日の吉野に思いを巡らせながら、うっとりといただいたのでした。

スタイリッシュな包装でこれからの季節の手土産やギフトにもぴったり。

個包装のパッケージもシンプルで、ちょっとした隙間さえあれば冷凍庫でも場所を取らないのもポイントが高いです。

この酷暑を乗り越えた先には豊穣の秋が待っていることをも感じさせてくれる、素敵な冷菓で夏のご挨拶はいかがですか。

 

柿こーり8個入り1,838円(税込、別途クール便送料880円)

柿の専門
https://a-kaki.com/

 


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