皆さん、こんにちは。
令和初のミスター土方(ひじかた)です。
新選組のふるさと日野をテーマにした前回のコラム、いろんな方に読んでいただいたようで本当に嬉しいです。
ありがとうございます。

今回からはしばらく「京都の地で新選組にゆかりのある神社仏閣」のお話に移ります。

文久3年(1863)、浪士組(後の新選組)として近藤さんや土方さん達が上洛してきました。
新選組の屯所と言えば「八木邸」「旧前川邸」ですよね。

左:八木邸、右:旧前川邸

壬生の地では当時、最大67人(諸説あり)の隊士が生活していました。この2軒以外にも当時たくさんのお宅を宿所としていたことはあまり知られていません。それでも今の世に現存している旧前川邸、八木邸で新選組を感じることができます。

その八木邸さんに隣接する壬生寺で、こんな面白い取り組みを始められたのを皆さんご存じでしょうか?

京都市観光協会の「京都観光Navi」さんにて、3つの密を避けながらゆっくりと京都での歴史や文化に触れる「事前予約で楽しむ京都旅」を紹介されていて、その中に壬生寺でしか体験できない特別プランが2つあります。

今回は、2021年3月31日(水)までの特定日に開催中の「新選組ファン必見!壬生寺本堂と「和泉守兼定」など模倣刀公開」、こちらに参加してきました。
ぜひ皆さんにも体験していただきたいなと思ったので、内容はあえて詳しく書きません。どんな雰囲気だったのか等をお伝えできればと思います。

参加したプランの内容は以下のとおりです。
①僧侶のご案内付で本堂の特別拝観
②僧侶のご案内付で壬生塚拝観
③本堂前で土方歳三の刀「和泉守兼定」(模倣刀)や沖田総司の刀「加州清光」(模造刀)を持ち、新選組「ダンダラ模様の羽織」(複製)を試着
④各自で歴史資料室を拝観

(①~④で所要時間 約90分)

そしてお土産にいただけるのが
  • 復元縄目地蔵尊特別御朱印(当プラン限定)
  • 音声ガイド「ON THE TRIP」(持ち帰り)
  • 壬生寺オリジナル音楽「SOUND TRIP」(持ち帰り)

壬生寺に着いたら、門を入って境内右手にある阿弥陀堂の売店で、このプランを予約した旨を伝えます。
その時にお代をお支払いし、壬生塚と歴史資料室の拝観チケット1枚とお土産をいただけます。
まずしておきたいのが、つい忘れがちな音声ガイド「ON THE TRIP」と、壬生寺オリジナル音楽「SOUND TRIP」のカードの受け取り。

すべてのお土産を受け取ったら御本堂の前に向かいましょう。

この日は、副住職が待っていてくださいました。

御本堂内は撮影禁止。その理由も、御本堂内でのお話で分かりますよ。
副住職は、壬生の地域やお地蔵様のお話、お寺の創建から幕末のお話をクイズにし出したり、野球に例えたり、私たちにわかりやすくお話してくださいました。思わずクスっと笑ってしまうようなことも。
そして、壬生寺といえば壬生狂言。松尾芭蕉が歌に残したり、新選組局長近藤勇をはじめ隊士達も観賞したという壬生狂言のお話もしてくださいます。

次に、新選組ファンの皆さんが一番気にしているであろうプラン③について。
新選組の生きていた時代、京都の大丸呉服店(現:大丸松坂屋)で作られた浅葱色の羽織を纏い、お好きな摸造刀を佩刀、または構えてお写真を撮ることが出来ます。和泉守兼定や加州清光の重さを、羽織の着心地を感じてみてください

最後に、プラン④の歴史資料室も是非ご覧ください。新選組の資料や壬生狂言のお面や映像も観ることが出来ます。
 

そうそう、今回の京都旅では美味しい出会いもありました。

阪急 大宮駅より徒歩1分。壬生方面に歩いていくと見えてくるおしゃれなお店肉×野菜バル WTeダブルティーイー
厳選赤身肉と契約農家直送の新鮮野菜料理やクラフトビールを提供してくれるバルです。

左 キッチンの多屋さん 右 店長の吉川さん

私はランチでお邪魔したのですが、最初入ろうか迷っていたら、常連(?)のおじさんがカウンター席から手招きして「入っといで~」と話しかけてくれました。
気さくに話しかけてくれる常連さんがいるお店は間違いない!と、私もカウンター席に腰をかけて大正解!細やかな気配りの店長・吉川さんが接客してくれました。

私が頼んだのは、低カロリーで高栄養な国産ランプの絶品ローストビーフセット。

京都地野菜をふんだんに使用したランチ。オレンジ色の容器の中にはスープが

メインのローストビーフはヘルシーだけどしっとりと肉汁を感じ、噛むごとに旨味が口の中を潤していきます。飴色のオニオンソースとの相性も抜群。
付け合わせのポテトにはしっかり味がついており、中にはベーコンが入っているサプライズ。ラタトゥイユは野菜一つ一つがゴロゴロしていて、噛めばじわっと出てくる野菜本来の甘さをトマトの酸味が引き立てています。

美味しすぎて幸せそうな顔をしていたのか、先程の声をかけてくれたおじさまが話しかけてきてくれました。ゆっくりと食後の珈琲をいただきながら壬生や壬生寺、祇園祭や嶋原のお話を聞かせていただきました。
旅先での出会いでこんなに嬉しいことはありません。本当に美味しくて楽しくて幸せな時間をいただきました。
素敵なご縁をありがとうございます。

そして、旅といえば忘れちゃいけない、甘いもの。

旅先でいろいろな場所を巡っていると、ふと甘いものが食べたくなりませんか?でも、コンビニスイーツやデパ地下のスイーツでは今一つピンとこない?そんなあなたにおススメしたい、壬生の地で地域の方に愛されている”街の小さなケーキ屋さんがあるのです。

それが壬生寺から北へ下った高辻通に店を構える『Patisserie Amuse(パティスリーアミューズ)』です。

人気店のため夕方には売り切れてしまうものも多い。私のおすすめはロールケーキ

実はこちらのお店のオーナーパティシエさん、以前は京都・西院の超人気ケーキ店「菓子職人」で腕をふるわれていたそうです。
ほわっと柔らかい笑顔で迎えてくださったオーナーさんの奥様に、お土産や宿泊するお部屋で食べるのにおススメはないか聞いてみました。
ケーキも食べてほしいけれど、おススメは焼き菓子。その中でも今の時期一押しなのがレーズンサンド(220円)とのこと。

早速購入して実食です!

手のひらからはみ出るのではないかという存在感。
クッキー生地は固め。袋から出した瞬間から芳醇なバターのいい香りが鼻をくすぐります。クッキー生地のこの艶はひと手間もふた手間もかけられた証。

半分に割るとかわいらしく、たっぷりバタークリームのベッドに横たわる洋酒に漬け込まれた大粒のレーズンが。

思わず、ありがとうございます。と拝みたくなる衝動を抑えて、もう一度クッキー生地で挟んでパクリと一口。
鼻に抜けるバターと洋酒の香りを追って後からやってくるレーズンの甘酸っぱさ。クッキー生地も固そうに見えて固くないサクサクとした歯ごたえ。
食べ進めるとバタークリームの油分を含んだ柔らかい生地になる。
バタークリームに練りこまれたお砂糖の甘さ加減も絶妙。もっと買って帰れば良かったと後悔しました。

 

こうして、京都でも出会った方々の優しさに身も心もあったかくなった、今回の新選組ゆかりの神社仏閣巡り。
次の旅ではどのようなご縁が生まれるでしょうか。

それでは皆様。また、お会いしましょうね。

 

今回、このコラムを書くにあたり御助力いただきました
壬生寺 様
京都市観光協会 様
肉×野菜バル WTe 様
Patisserie Amuse 様
本当にありがとうございました。

※編集部注:京都観光Naviの「事前予約で楽しむ京都旅」は、感染拡大を受けまして2021年1月現在、予約受付を停止しています。


<旅人・原稿(写真)/22代目ミスター土方>


東京・日野市で毎年5月行われる、新選組ファン大注目の『ひの新選組まつり』。2019年行われた第22回の隊士コンテストで令和初の土方歳三役『ミスター土方』に選ばれたのは、凛々しくも心やさしき1人の乙女。新選組ゆかりの地を巡る活動のなかで、ご縁を結んだ神社仏閣、おすすめのお店、お世話になった方々のことを語るコラムを連載中。


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