写真/中島光行

はじめまして。
写真家の中島光行です。

京都に生まれ、京都に育ち、京都を拠点に活動しています。観光地だけではない京都の魅力を伝えるプロジェクト三度目の京都」では、味わい尽くすことのできない千年の歴史を紡ぐ古都だからこそ、三度目から少しずつ深く知り、もっと好きになってほしいという想いで、カメラを通した京都の魅力を発信しています。

この場では、その視点を通して知られざる京都のお寺の魅力を紹介していきます。

さて、新春早々の第1回目は、圓光寺の雪景です。

古くから紅葉の穴場として知られていましたが、平成に入って庭園を開放されたことで、近年では「紅葉の圓光寺」として多くの拝観者が訪れることで有名な禅寺です。
紅葉が見事ということは、新緑ももちろん清々しいのですが……。見頃のシーズンには、爆発的に人が増えます。だからこそ、あえて寒さの厳しい真冬に訪れることをおすすめしたいですね。

洛北の高台にあるこのお寺、特に東照宮からの眺めは格別です。

京都盆地を背景にした伽藍(がらん)を上から見られるのは珍しいですし、雪がなくても冬場は空気が澄んでいて遠くまで見渡しやすく、なにより人も少ない。
お寺の凜とした空気を感じることができます。

冬の庭を眺めながら、新緑や紅葉を想像してみる。その答え合わせに、春や秋に再訪するのも面白いと思います。
冬から始める京都の寺院めぐりは、きっとガイドブックにはないハッケンがたくさんあるはず。

雪景を撮影するときは、長年の経験と勘から、積もりそうな夜半には心づもりをして待ちます。

ありがたいことに、拝観前に入れていただける場所も多いので、夜明けとともに撮影を始めて、足跡がつかないうちに撮り終えて帰ります。

上の写真は、日の出すぐ。瞬間の美しさを切り取った一枚です。
その瞬間にしか撮れないという意味では、冒頭最初の写真もまさにそう。刻一刻とその姿を変える雪景の美しさを、ぜひ間近で楽しんでください。

 

圓光寺
TEL 075-781-8025
京都市左京区一乗寺小谷町十三番地
拝観時間:9:00~17:00
http://www.enkouji.jp/


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