2021年6月23日から3日間、東京・天王洲アイルの倉庫街の一角で、約1年半ぶりのリアルイベントとして開催された、「大日本市」。その様子を、前知識なしで参加したハッケン!ジャパン編集部研修生(20代女子)が取材した。
本来はプロ向けのイベントを、ユーザー目線で実際に体験。つくり手の方々から直接お話を聞いて「これ欲しい!」「使ってみたい!」と感じたブランドについて厳選ご紹介。
 

最初に:「大日本市」とは

「大日本市」は、300年以上も続く奈良の老舗で全国に店舗展開する「中川政七商店」が主催する、工芸の合同展示会
「日本のいいものといい伝え手をつなぐ」というコンセプトのもと、本来の価値を知られる機会が少ない各産地の良いつくり手さんと、それを私たちの手元に届けてもらえる小売店・バイヤーさんとをつなげる出会いの場として、毎年開催されてきた一大イベントなのだそう。

多くのイベントと同様、前回・前々回はコロナ禍の影響でオンライン開催。約1年半ぶりのリアル開催にこぎつけた今回は、事前予約制で感染対策を徹底し、全国から65ものブランドが集結。2つに分かれた展示会場は、静かな熱気とワクワクする出会いの予感に包まれていた。


 

心と体を「ととのえる香り」hana to mi

会場に入るとすぐに、ほんのりと漂ってくる優しい香りに気付いた。誘われるように「調える香り」がコンセプトのアロマブランド「hana to mi(ハナ  ト ミ)」の展示ブースへ。
原料に、日本人にはなじみ深い和の植物由来の「和精油」も使用。塗るだけ、スプレーするだけなど、簡単な使い方で日常生活に取り入れやすい。香りによって心と体を調える「ホリスティック・アロマテラピー」を提案する、新しいアロマブランドだ。

この春、ブランドデビューを記念してご提供いただいた「ハッケン!ジャパン」のプレゼント企画でアロマミストが大人気。今回は、ロールオンアロマを手の甲で試させてもらった。
体温で温められたオイルが肌にじんわり浸透していく感覚と同時にアロマの香りに包まれ、なんともいえない癒しの感覚を実際に体験することができた。

アロマということで女性向けのイメージだったが、使い勝手の良さと甘すぎない香りは男女を問わず、贈り物として喜ばれそうだと思った。

hana to mi  
https://hana-to-mi.jp/

 

澄んだ音色で気持ちを切り替える「LinNe」

さらに進んでいくと、研ぎ澄まされた音色が響いてきて、音の鳴っている方へ行ってみた。京都で190年余りの歴史がある仏具の工房が立ち上げたという新しいブランド「LinNe(リンネ)」。なるほど、どこかで聞いたことがあるようなと思ったら「おりん」だった。
「おりん」とは、仏壇の前で鳴らす、小さなお椀型の鳴り物のこと。今では仏壇がある家も少なくなってきているが、映画やドラマの中で見たことがあるかもしれない。

「LinNe」は、美しい音色自体を自由に楽しんでほしいという思いから生まれた新しいブランドで、さまざまな形や色のモダンなデザインの金属製品が楽器のように並ぶ。試してみると、それぞれ音色に個性がある。一点ずつ、京都の工房で手作りされた工芸品だ。
どれも空間ごと包み込まれて浄化されるような、清らかな音色。気持ちを切り替えたいとき、リラックスしたいときに鳴らすのがオススメだそう。
個人的には、神社やお寺にお参りするように、部屋のなかで手を合わせてLinNeを鳴らすというプチ仏壇的な使い方が興味深く、やってみたいと思った。

LinNe 
https://linne-orin.com/

 

神秘的な色と香り、出雲のコスメブランド「kiu 祈雨」

「LinNe」のブースのすぐ隣り、「カワイイ!」という言葉以外は思い浮かばなくなる、絶妙な色合いが美しいせっけんに目を奪われた。

出雲和漢と玉造温泉水でつくられたスキンケア製品を展開する「kiu 祈雨」という新しいブランドのブース。
無農薬で育てたマコモ・ヤマモモ・うさぎの塩をそれぞれ使用して自然素材から生まれた化粧せっけんは、汚れや角質を優しくオフしてくれる。香りも、いかにも神話のふるさと出雲らしく、神秘的な印象。

せっけんの隣に並んでいた化粧オイルの方は、顔や髪だけでなく全身のケアに使うことができるそう。こちらも使いやすそうだった。

kiu 祈雨  
https://kiu-izumo.com

 

サイズ感と使い方に新提案、「にじゆら」の手ぬぐい

同じくカラフルでかわいいデザインが目を惹いたのが、手ぬぐいブランドの「にじゆら」。
正直、手ぬぐいといわれてもイマイチそれをどう使っていいのかピンとこない、どちらかというと渋いイメージだった。

ところが、今年新たに発売された「everyday60tenugui」は、インテリアとして飾るのにぴったりの手ぬぐいだという。たしかに、見ると普通の手ぬぐいより短い。60cmの長さにすることで、バランスよく飾りやすいものになっている。
しかも、手ぬぐいはエコバックになったり、いろんな使い方ができることを教えてもらって、「生活を彩る、おしゃれアイテム」にすっかり印象が変わった。
今度チャンスがあったら、そのままプチギフトにできるご祝儀袋のかたちの手ぬぐいを友達に贈ってみたいものだ、

にじゆら
https://nijiyura.com/

 

贈られたら絶対嬉しい!ヤマチク「おかえりの菜箸」

すすめられるまま手に持ってみて「何これ!」と、その軽さに驚いたのが、ヤマチクのお箸。

約半世紀にわたり一貫して竹の箸をつくりつづけてきた専門メーカーで、この夏発表された「おかえりの菜箸」は、つくる・盛り付ける・取り分けるという用途別に3タイプの菜箸がセット。いかにもプロ仕様だが、入荷するたびに売り切れる、大ヒット商品だそう。

お話をきくと、使い勝手やサイズ感など細やかに考えられていて、つくり手の強い愛情とこだわりが感じられた。
パッケージやお箸自体のデザインもおしゃれ。プレゼントとして誰かに贈ったら「センスいいな~」と感心されそう。毎日使うのも嬉しいと思う。

ヤマチク  
https://www.hashi.co.jp/

 

伝統技術を、こんなにかわいく。清原織物の「命名指輪」

なんと室町時代から続くという滋賀県の老舗「清原織物」のブースでは織り機があり、伝統の綴織(つづれおり)を体験させてもらった。

綴織とは、お芝居などの舞台を覆う緞帳(どんちょう)などに今でも使われている織物だそう。教えていただいた動作は、単純なはずなのに、実際自分がやってみると手と足が同時に動かせず、思いのほか難しい! 職人技の価値を目の当たりにした気分だ。

こちらで気になった商品は、生まれたばかりの赤ちゃんに贈るベビーリングと命名札がセットになった、「命名指輪」。組み紐のリングと、縁起の良い綴織で仕立てた命名札のカバーは、生まれ月によって違う12色が用意されている。
どれも、うっとりする上品で美しい和の色合いで、お値段も手に届くかわいらしさ。友達の出産祝いに贈りたい一品だ。

清原織物  
https://kiyoharaorimono.jp/

 

見た目ほっこり、テンションは急上昇!「226」のニット

ニット大好き人間のテンションが上がったのが、ニットの産地として知られる新潟・五泉市のメーカー、サイフクのブランド「226(つつむ)」のブース。

ふつう服の下にこっそり隠して着けるイメージの腹巻を、堂々とオシャレアイテムとして見せてしまう「見せるハラマキ」は斬新なアイデア! 
なんでも包める「のびるニットマルチケース」は、さまざまな使い方ができ、バッグの中の整理に活躍してくれそうだ。洗濯機で洗える点も実用性が高くて良い。

どちらも写真は使用イメージ。なにより、ニットで包まれたモノは、どれも途端になんだかかわいくなる。次は何をつつむ?眺めていると楽しい気分になった。

226オンラインショップ  
https://shop.saifuku-knit.jp/

 

久々のリアル取材、話したり試したりできる体験イベントは、やっぱり面白い!
見るだけでなく体験することができ、つくり手やプロのお話をその場で聞くと、日常に取り入れた時のイメージやメリットが伝わりやすいと思う。
なんだか敷居が高そうに思っていた「工芸」という世界が、かわいいデザイン、よく考えられた実用性で、ずっと身近なものに感じられて楽しかった。

業界向けのイベントを特別に取材させていただき、なかなかこういうチャンスは巡ってこないだろうが、作り手の顔や想いがわかるとオンラインショップでの買い物も、また違った目で見られそうだ。ぜひ、一般ユーザー向けにも企画してほしい。
コロナ禍でのイベントは感染対策や準備など大変だったに違いない。それでも、魅力的な新商品の情報だけでなく、元気をもらえた1日だった。


「大日本市」開催レポート(公式)
https://www.dainipponichi.jp/shop/pages/exhibitions202105.aspx

主催:中川政七商店  
https://nakagawa-masashichi.jp/
 


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