20歳を迎えて初めて飲めるようになる酒。さて今どきの若者はどんなお酒を飲みたいのだろう?
2020年2月9日、日本酒造組合中央会が開催した「二十歳からの日本酒2020 in 渋谷スクランブルスクエア」をハッケン!ジャパン編集部と取材した。

こちらは大学生や社会人をはじめとする20代の参加者を対象に日本酒の魅力を知ってもらう体験イベントで、事前申し込みのあった参加者100名が出席。全国から250人以上もの申し込みがあったそうだ。

「SAKEの魅力や愉しみ方を知る」セミナー

イベントは3部構成。その第1部は「SAKEの魅力や愉しみ方を知る」セミナー
パネラーは、日本酒通として知られ著書もあるフリーアナウンサーの福澤朗さん、日本酒を愛する20代オピニオンリーダーの立川哲之さん、さらに作り手側の代表で石鎚酒造の専務取締役・越智浩さんも加わって、自身の日本酒との出合い、魅力や愉しみ方について語り合った。

冬場は酒蔵に勤め、夏場は「日本酒を醸す全ての酒蔵を巡る」旅を続ける20代、立川哲之さん。以前は日本酒を飲めなかったそうだ。
「東日本大震災でボランティアとして現地に行った際、地元の方々と交流するなかで日本酒のおいしさや状況を知り、何とかしたい、まず知ることからと酒蔵を巡る旅をはじめた」とのこと。旅は今も続いている。

また、蔵元代表の越智さんは、食事と楽しめる酒造りや「3杯目から美味しくなる日本酒」をテーマに季節ごとの楽しみ方などを提案。
若い人に手を取ってもらえるよう、ラベルやボトルもモダンにデザインするなど工夫をしています。何か良いアイデアがあれば教えてください!」と呼びかけた。

3人のなかでもっとも強く印象に残ったのが、現在57歳になるアナウンサー福澤さんのお話だ。

「自分が20代だったバブルの時代は、日本酒が美味しくなかった。今は本当に美味しいお酒がそろっている。存分に味わってほしい。我々世代は、おいしくなった現状を知らなくて日本酒に拒否反応という人も多い。ぜひ上司や先輩を飲みに行きましょうと誘って、日本酒の美味しさを逆に教えてあげて欲しい」と福澤さん。

日本酒は、日本という国名が付いた「国酒」。だからこそ、もっと日本酒を飲んでほしいとの真摯な思いが軽妙なトークから伝わってきた。

2020年はオリンピックイヤー。外国人をおもてなしするためには日本酒の知識が必要になる、との指摘も。

「皆さん、海外に行ったら、その土地の酒と料理を口にしますよね?日本に来られた外国の方も同じことをするはず。居酒屋で外国人に出会ったら、日本酒について聞かれると思ってください。そのとき答えられるように日本酒の知識を深めてほしい」

との福澤さんコメントに、たしかにそうだなぁと納得。

20代が考える「私と日本酒の“今”と“未来”」

第2部はワークショップ。「私と日本酒の“今”と“未来”」をテーマに、数チームにわかれて、同世代の日本酒オピニオンリーダーと参加者によるグループディスカッションが行われた。
どのような飲み方をしたいか、3年後にはどんな飲み手になっているのかなど、それぞれでディスカッション。最後にリーダーが話をまとめて、こんな意見があったとグループ別に報告。非常に興味深かった。

発表の中で印象深かった意見が「日本酒はラベルの文字が難しくて読めず、注文しづらい」。
じつは私も常々同じことを感じていたので、ルビをふるだけではなく、もっと何かいいアイデアはないものかと考えてしまった。

つづいて第3部は「日本酒の魅力を体験する」をテーマに、利き酒ができる立食パーティ

「熟れたりんご、メロン、ヒヤシンス」「クリームチーズ、シイタケ」など、日本酒の香りを4タイプに分け、体験できるブースを設置。秋田県「飛良泉本舗」、栃木県「天鷹酒造」、奈良県「倉本酒造」など15蔵が参加した。
4タイプの日本酒には、初心者でもわかりやすいよう、それぞれその日本酒の香りを示す果物やチーズなどが置かれていた。

蔵元との交流コーナーでは、神奈川県「泉橋酒造」、佐賀県「天山酒造」など9蔵元が参加。直接質問や情報交換をすることができ、日本酒を介して楽しい交流を深めた。
おつまみは、日本文化を発信する料理研究家の北村みゆきさんが担当。

20代と一緒に日本酒を楽しみたい

今回参加してみての感想は、20代の若い人は日本酒にあまり興味がないのかと思っていたが、話を聞いてみてそれは違うとわかった。
日本が誇る日本酒、今後も絶えることなく受け継がれていってほしい。それは20代をはじめ、これからの人たちにかかっている。

福澤さんのコメント通り、私が20歳の頃は日本酒に対するイメージもよくなくて、ただ飲んでいただけという気がする。
それに比べると現在は、大吟醸、吟醸など幅広く、まるでワインのような味わいの日本酒まで出ている。
日本酒も時代とともに進化し、状況は大きく変化しているのだ。

とはいえ、日本酒の需要が減り、日本中で酒蔵の数が年々減少しているのもまた事実。

ぜひとも若い人たちが日本酒のことを好きになって、知識を深めていってほしい。
それには、私たちの方でも20代を誘って、日本酒文化を伝えたり交流したりする必要がもっとあると感じた。