奈良の国宝級仏像の数々がイギリス・ロンドンの大英博物館で展示される「奈良 - 日本の信仰と美のはじまり」展が2019年10月3日より開催。
奈良を代表する古刹である法隆寺、薬師寺、東大寺、唐招提寺、西大寺、さらに春日大社、丹生川上神社の名宝を中心に、国宝5件、重要文化財6件、奈良県指定文化財1件を含む全19点の名宝が海を渡った。さらに開催中は奈良の歴史文化や県産品に関するプロモーションも実施。ロンドン市内店舗にも奈良の工芸品や食、お酒などが並んだという。
国ではなく地方自治体が中心となって海外でこういった展示企画をするのはとても画期的なことだ。
開催に先立って8月に行われた記者発表会に参加。トークセッションには美術史家、奈良県知事らが登壇し、「歴史が古すぎて詳細の分からない名宝も多い。いちど海外に持ち出して世界の目利きに見てもらうことで、新たな解釈や発見があるのではないか」「また、日本美術を通じて正しく日本文化を伝えることは文化による安全保障という観点からも意義のあること」など、熱い思いを語った。
ロンドンまで見に行くのは正直難しいかもしれないが、この秋は奈良へ、歴史や美味しいものに触れる旅に出かけてみるのも良さそう。「奈良に来れば他にもいいものはたくさん」という奈良県知事・荒井正吾氏の言葉が印象的だった。
斎藤久美 撮影
国宝 誕生釈迦仏立像及び灌仏盤 奈良時代・8世紀 東大寺 画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)/誕生したばかりの釈迦が、7歩歩いて「天」と「地」を指し、「天上天下唯我独尊」と発したという伝説を仏立像にしたもの。
国宝 観音菩薩立像(夢違観音) 飛鳥時代・7 〜8世紀 法隆寺 画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
国宝 金銅透彫舎利容器 鎌倉時代・13世紀 西大寺 画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
不空羂索観音二神将像 鎌倉時代・12 ~ 13世紀 大英博物館 © Trustees of the British Museum
斎藤久美 撮影
「奈良-日本の信仰と美のはじまり」展 (英題Nara : sacred images from early Japan)
会場:英国 ロンドン 大英博物館 朝日新聞ディスプレイ(Room3)、三菱商事日本ギャラリー(Room93)
主催:奈良県、大英博物館
開催期間:2019年10月03日(木)~2019年11月24日(日) ※終了
奈良県庁(公式サイト)http://www.pref.nara.jp/item/213464.htm
大英博物館(公式サイト) https://www.britishmuseum.org/