私たち日本人は古(いにしえ)の時代から自然の中に溢れる色彩を取り入れ、その美しさを表現してきた。京都の伝統技法を生かし、一枚の生地に願いを込めて贈る、手描き友禅のファブリック「iromori」(いろもり)が2019年春、新しく誕生する。

iromoriとは

京友禅の富宏染工株式会社(京都市中京区)は、染匠の藤井友子がブランドプロデューサーに花嫁着物CUCURUを運営する株式会社AND(東京都港区)の安東夏子氏を迎えて新ブランド「iromori」(いろもり)を2019年3月発表する。

京都の地で長く培われてきた伝統ある手描き友禅の技法を用い、富宏染工の女性の職人たちが「二ミリデザイン」代表・デザイナーの平山智子氏とともにオリジナルデザインで創り出したファブリック(布地)。
洋服やファッション小物、インテリアなど、日常生活にも取り入れやすいように、従来きものサイズからは考えられなかった90センチという横幅を実現。そんなファブリックを、店頭では10センチ単位で購入することができる。

「色を贈る」というテーマのもと生まれたiromoriは、自然界から抽出された色で染められた京友禅のファブリックに、iromoriオリジナルの色言葉が添えられる。大事な誰かの贈り物に、または自分のお守りとして、自然の色を取り入れてほしいとの願いがそこにある。

京友禅・富宏染工について

1960年会社創立。企画・作品制作(構図・図案・配色等)管理を統括する「染匠」として、きものを制作。代表取締役社長でもある藤井寛は皇后陛下の御訪問着や紀宮様の御振袖の制作者として知られ、高度な技術が要求されるきもの制作に従事する一方で、もうひとつのブランド「RITOFU」では、日常のおしゃれ着として着こなせるきものの提案や和雑貨の制作も積極的に行っている。

今回の新ブランドiromoriでは、自社の強みを生かせる新しい事業として

・次世代職人の育成
・和装分野以外のドレス・ファブリックとしての展開
・店舗・ホテル・建築関係のインテリア・ファブリックとしての展開
・海外でのビジネス展開

などを目標に、ものづくりに関して理解が深い株式会社AND、二ミリデザインとともに良いものをつくることに意義を見出し新たな可能性を広げていければと富宏染工では考えている。
伝統産業を守る女性だけの職人チームと外部クリエイターのコラボレーションで生み出された新ブランド。これからの展開が楽しみだ。

 

IROMORI/富宏染工株式会社

〒604-8215 京都市中京区蛸薬師新町西入不動町175-9 

TEL / 075-221-2743(11:00~17:00)日・月定休