宮内庁正倉院事務所は、新天皇陛下の御即位をはじめとする皇室の御慶事を記念し、特別展「よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技―」を奈良国立博物館で2020年4月18日から6月14日まで開催する。
その後、2年をかけて長野、名古屋、沖縄、福岡、新潟、北海道、東京と全部で8つの美術館・博物館を回る予定。

この特別展は、明治時代から行われてきた正倉院宝物の再現模造事業で製作された作品の中から選りすぐりの約100点が出品される、かつてない規模の展覧会となる。
最新の科学技術を駆使して正倉院宝物の内部構造まで調査し、人間国宝ら伝統技術保持者の技で忠実に再現していく過程の映像や資料なども作品とともに展示。

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)の螺鈿(らでん)に線彫りを施している様子

現代の名工たちの技と最新のテクノロジーで天平の美を再現

現代の名工たちの伝統技術と最新の科学技術を融合させて製作された再現模造品は、単なる模造品ではない。原宝物と同じ材料を使い、CT撮影などのテクノロジーを駆使し、同じ技法で内部まで忠実に再現したものである。

1300年前当初の姿を鮮やかに蘇らせた究極の伝統工芸品なのだ。

模造 七条織成樹皮色袈裟(しちじょうしょくせいじゅひしょくのけさ) 正倉院事務所蔵/光学顕微鏡で細部を観察し、意匠図(デザイン画)から正確に再現した

(編集部撮影)

今回のみどころのひとつ「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」は材料の調達からすでに困難を極め、完成まで8年を要した。

原宝物は明治時代に修復した際、楽器としての機能が失われてしまったという。

しかし、今回の再現模造品の製作では原宝物の内部構造をCTスキャンで撮影し、内部まで忠実に再現することで、演奏が可能な楽器としての機能までよみがえらせることに成功した。

天平の美を現代によみがえらせた逸品の数々を一堂に見られる今回の展覧会、見逃す手はない。

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 表(らでんしたんのごげんびわ おもて) 正倉院事務所蔵

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 裏(らでんしたんのごげんびわ うら) 正倉院事務所蔵/華麗な装飾だけでなく内部構造まで忠実に再現されている

奈良国立博物館

御大典記念 特別展「よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技―」

会場:奈良国立博物館

主催:宮内庁正倉院事務所、奈良国立博物館、朝日新聞社、NHK奈良放送局

会期:2020年4月18日(土)~6月14日(日)

時間:9:30~17:00(毎週金曜日は19:00まで)※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)は開館

観覧料:当日一般1500円 高校・大学生1000円 小・中学生500円

TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)

公式サイト: https://shosoin.exhibit.jp/

※会期中展示替えあり。

奈良国立博物館での開催後、全国を巡回。