2020年2月、天王洲アイル駅にほど近いB&C HALLで行われた合同展示会「大日本市」には、全国各産地から新ブランドやさまざまな新商品が集結した。なかでも注目を集めたのが、このイベントの主催でもある「中川政七商店」による新ブランド。
ファストファッションがますます乱立するこの時代に、中川政七商店は創業の原点に戻って、丁寧に仕立てた麻のインナー「更麻」(さらさ)を発表した。
「日本の工芸」をテーマにした生活雑貨の企画製造や直営店舗で知られる中川政七商店は、1716年に高級麻織物の卸問屋として奈良に誕生。
奈良晒(さらし)を使った風呂上がりに着る肌着「汗取り」や「産着」は皇室御用達の栄誉も受けたという老舗だ。
歴史的に「麻」こそが下着の原点
さて麻のインナーというと、どんなイメージがあるだろうか。
ゴワゴワ? チクチク?
「固い」というイメージを持たれがちな麻だが、じつは歴史的には「ランジェリー」の語源にもなった素材なのだ。
夏は優れた速乾性を発揮し、冬は蓄熱保温で一年中、快適。
さらに洗濯に強い強靭さと洗うごとに増す柔らかさを併せ持ち、防カビ・防臭性にも優れている。まさにインナーにはぴったりの素材だ。
現代の技術で生まれ変わった麻のインナー
かつては世界中で使用されていた麻の下着。それが今のような綿や化学繊維に取って代わられたのは、伸縮性と柔軟性に欠けていたからだという。
そこで、麻の老舗・中川政七商店の新ブランド「更麻」は、麻の着心地の良さに着目。
和歌山県のニットメーカー・オカザキニットの高い技術力により、今まで実現できなかった伸縮性・柔軟性のある麻100%のインナーを誕生させた。
特殊な加工に加え、湿度の高い梅雨の時期を選んで編むという緻密な調整で、誰もが体験したことのない「柔らかな麻」が実現。
しかも、繰り返し洗濯して長く使える、麻ならではの強さもしっかり共存。使い捨てではなく長く愛用できそうな点もうれしい。
程よいフィット感をかなえるために、京都の職人が一枚一枚縫製した、なんとも贅沢なインナーである。
更麻のキャミソール、タンクトップ、ショートスリーブ、ショーツ。商品パッケージの巾着袋は洗濯ネットとしても使える
衿ぐりや袖には光沢のあるテープを使用し、上品で型崩れしにくい仕様。
色は、麻そのままの風合いが楽しめる生成(きなり)と、優しい白の2色展開。
天然素材だからこそ、肌への負担は少ないのはもちろんのこと。
「インナーには、麻が一番気持ちいい」。
そんな誰もが想像していなかった答えが自然と見出せそうな新ブランド「更麻」は、2020年4月8日(水)デビュー。
使い捨てではなく自然素材から丁寧に仕立てられた上質なインナーは、日々の暮らしのなかで、確かな気持ちよさを感じさせてくれることだろう。
自分にご褒美はもちろん、身近にいる大切な人への贈り物にも喜ばれそうだ。
中川政七商店 https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/default.aspx
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